管理組合とは
マンションの所有区分は、「専用部分」と「共用部分」の2つに分けられます。
一つ一つの住戸部分はそれぞれの区分所有者が所有します。こうした1件1件の住戸部分を「専用部分」といいます。専有部分は基本的にはその住戸の所有者が管理することになります。
その他の廊下、階段、エレベーター、建物の外壁や屋上、共用施設の駐車場、自転車駐輪場、集会室などを「共用部分」といいます。共用部分は区分所有者全員が共同で管理を行うことになります。
「専用部分」と「共用部分」の詳細については、管理規約第2章の(専有部分の範囲)第7条、第8条に定められています。
そこで、共同で管理をするために、管理組合が必要になります。区分所有者が全員で管理をする組織が管理組合で、管理組合には区分所有者が全員で入ることが区分所有法(この法律の正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」といいます。)により決められています。
管理組合の構成員
区分所有法では、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者をおくことができる。」としています。
区分所有、すなわち2名以上の所有者がいれば管理組合は成立することになります。また、区分所有者は、必ず管理組合の構成員となり、所有者である限り管理組合から脱退することはできません。
管理組合は区分所有者により構成されています。管理組合には、マンションを買ってから、そのマンションに住まわれていない人たちもいますが、こうした「不在所有者、不在オーナー、外部所有者」といわれる人たちも管理組合の構成員になります。
区分所有者=管理組合員という位置づけになります。
管理組合の組織
(1)管理組合には、次の役員を置いています。
・理事長 1名
・副理事長 1名以上
・会計担当理事 1名以上
・理事 理事長、副理事長、会計担当理事を含めて12名以上
・監事 2名
(2)理事および監事は、管理組合員の中から、団地総会で選任または解任します。
(3)管理組合役員は、輪番制になっています。詳細は、運用細則に定められています。
(4)専門委員会の設置
共用部分などの維持管理、処分、運営、居住者の日常生活に関する活動を円滑に行うため、専門委員会を設置しています。
委員は、管理組合員の中から公募し、理事長が委嘱します。
管理組合の運営
予算や決算、管理規約の改正・廃止、大規模修繕計画など、管理組合の重要事項については総会を開いて決めます。総会は通常、年に1回開催され、必要に応じて臨時総会が招集されます。
総会での決議に関する議決権は、1戸1議決権を有します。団地総会は、議決権総数の半数以上を有する組合員が、出席しなければなりません。議事は、出席組合 員の過半数の賛成で決定できます。規約の制定、変更又は廃止などの重要事項については、組合員総数の4分の3以上及び議決権の4分の3以上で決定します。 総会は議決権を使うチャンスですから、ぜひ出席して権利を有効に使ってください。
どうしても出席できない場合は、委任状によって代理人を立て、議決権を行使することも可能です。総会開催の前には「総会開催の通知」が組合員に配られます。この通知には開催日時や場所などが書かれています。
管理組合の業務内容
管理組合は、以下のマンションに関わる業務を行っています。
(1)共用部分などの維持管理に関する業務
・保安・保全・保守・清掃・消毒・塵埃処理
・共用部分の修繕
・その他共同の利益と良好な住環境を確保するための業務
(2)共用部分などの処分、運営に関する業務
・専用使用部分に関する一部管理行為
・修繕積立金の運用
・敷地および共用部分などの変更・処分、運営に関する業務
・官公庁、町内会との渉外業務
・防災に関する業務
(3)居住者の日常生活に関する業務
・風紀、秩序、安全の維持に関する業務
・広報・連絡業務
このような業務の中で、管理組合自らが行うことが難しい一部の業務を管理会社に委託しています。
管理費と修理積立金
(1)管理費
マンションを維持管理し、快適な暮らしと資産価値を保つためのさまざまな業務は、管理組合が中心となって行われる必要があります。こうした仕事を進めるための基本的な財源が、管理費になります。
管理費の主な用途は、以下の通りです。
・公租公課
・共用設備の保守維持費及び運転費
・備品費、通信費その他の事務費
・共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
・経常的な補修費
・清掃費、消毒費及びごみ処理費
・委託業務費
・専門的知識を有する者の活用に要する費用
・地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
・管理組合の運営に要する費用
・組合が株式会社オプティキャストと締結するオプティキャスト施設利用サービス建物一括加入契約に基づき支払う維持管理負担金
・その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用
(2)修理積立金
マンションの大規模修繕工事のための財源です。
マンションの維持管理のためには、定期点検で発見された不良・劣化箇所の補修や、何年かに一度行う大規模修繕工事が不可欠になります。
これらにかかる多額の費用を、一度に出すのは大変です。そこで、「修繕積立金」として毎月徴収しています。
修繕積立金の用途は、次の5つあります。
・一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
・不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
・敷地及び共用部分等の変更
・建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
・その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理